無施肥無農薬栽培の原理

土を生かす農法
 
岡田茂吉師の提唱する無肥料栽培の根本は、土そのものを生かすことであります。土には、人間が生命を保つに足るだけの食物を生産すべき能力を与えられております。したがって、土を尊び、土を愛することによって、土自体の性能は十分に発揮されるのであります。 それには、肥料のごとき不純物を用いず、どこまでも土を汚さず、清浄に保つことが必要になります。清浄な土で作物を作ると、土の方でその作物に適するような性能ができ、年々それが発達してまいります。これが自然力であります。この自然力よりも人為力に頼りすぎ、肝心な土を軽視し、肥料を重視したところに今までの農法の反省すべき点があると、岡田師は指摘されております。

肥料について
 肥料を用いると一時は効果があっても、長く続けると土を殺し、土自体の働きを阻止することになり、作物も土の養分を吸収する本来の性能が衰え、いつしか、肥料を養分としなければならないように変化してまいります。さらに、作物は肥料を吸収すると弱体化し、風雨による被害をより多く蒙るのみならず、病虫害の原因になります。作物に吸収された肥毒を浄めるために浄化作用がおこり、病虫害が発生するのでありますが、その解決に今までは殺虫剤を用いてきたために、かえって次の病虫害の原因を作ってきたのであります。作物に吸収された肥料や薬剤は、私共の考えている以上に、作物を通じて人体に影響を与え、病気の重要な原因の一つになることを指摘されております。

無施肥無農薬栽培の技術面
 岡田師は、技術面の問題は、土地の気候やその他の条件を考えて、今後みんなで工夫するように説かれておりしていく必要があります。すでに数十年間実施の試験田などがありますが、連作の問題、種子の問題など個々の実施にあたっての諸問題の解明は私共に与えられた今後の課題であります。

岡田茂吉師の自然農法に関する論説